・・・・とまあ、軽く言ってはしまうケド、大変なコトになってしまった。
もう大変と言うレベルのスゴさでは無いんだケドね・・・・・・。
あの後、僕とリナムは家に帰り、ゆっくりと休んだ。
戦いはあまりしたコトが無かったのでとても疲れたよ(笑)。
昔、シュバルツバルド共和国にあった武術学校でしっかりと訓練しておかなければ、あのラバースと言う人があの道を通りかかる前に、僕はあの世逝きだっただろう。
ゆっくりと休み、疲れもとれてきた夜のコトだった・・・・。
ＲＯ ｔｈｅ ｓｔｏｒｙ ｔｉｍｅ
『キリエルの話』
第五話
↓START↓
「リナム、そう言えば、明日ちょっとしたイベントがあるんだケドさ、リナムも行くかい？」
「いべんと・・・？」
夕食を食べている途中、ふとあるコトを思い出したのでリナムに尋ねた。
「プロンテラで行われる大会なんだケドね、アレナ大会って言うんだ」
アレナ大会とは、プロンテラで年に一度行われる、武具大会のような大会。
腕に自信のある剣士達が集い、勇者を決める大会なんだ。
優勝したあかつきには賞金、勇者と言う称号。王、トリスタンⅢ世からのお褒めの言葉を頂くコトが出来る。
「実はね、そのアレナ大会にケアティルも参加するんだ」
そう。ケアティルはアレナ大会参加者。『腕試し』と言って出場するらしい。
「それとね、フィリアさんも来るんだよ」
前々からケアティルが今年のアレナ大会に出場するコトは決まっており、リナムと出会う前からフィリアさんと一緒にケアティルを応援するコトになっていた。
「・・・・・」
リナムは黙り込み、考えているような顔をした。
リナムはケアティルが苦手だ。だから応援はしたくないと思っているだろう。でも、フィリアさんのコトは好きだ。フィリアさんも行くから、行こうか、行かないか迷っているのではないかと思った。そして、決断したのか、僕を見て口を開いた。
「行く」
考えた挙句、応援をしに行くコトになった。きっと、アレナ大会に少し興味があるんだろう。学校の時みたいにキョロキョロと色んな所を見るのだろうか(笑)。
「そっか・・・・わかった。それじゃ、明日朝早く行くからすぐに寝ようね」
「うん！」
翌日。
朝８時あたりに中央市場に集合した。
リナムはまだ眠そうな顔をしている。
フィリアさんもケアティルも来たので、プロンテラへと向った。
フィリアさんには、あの一件、セネアとガルバとの戦いのコトは話さなかった。
そして、ケアティルとは昨日の出来事が無かったかの様に話した。
ケアティルは自分になんらかの関わりがあるコト以外、すぐにその出来事を忘れてしまうので、もう半場忘れかけていると思う。
そんなケアティルが僕にとって、少し羨ましかった。
僕にとって、あの出来事はすぐに忘れたい出来事だったから。
リナムが不思議な力を持ったコ。
それはリナムの両親の血が流れている為。
リナムの両親とは一体何者なのだろうか。
セネアとガルバは一体何者なのだろうか。
あの一件で、疑問が生まれた。
早く失くしたい疑問。
持ちたくなかった疑問。
しかし、この疑問を抱き、考えていても意味は無い。
結局、無駄な時間をとるだけなのだから。
しかし、一つハッキリしているコトがある。
何がどうであれ、リナムはあの二人に命を狙われている。
そのリナムに襲い来る危険を、僕が命に代えてもリナムから守らなければならない。
なぜかそんな気持ちでいっぱいだ。
まるで、神にリナムを守護しろと命じられたかのように・・・・・。
プロンテラ到着。
やはりと言うべきだろうか、城下町には沢山の人達がいる。
元から沢山人のいる街だが、今日は桁違いの多さだった。
中には、ゴッツイ人達が何人かいた。大会参加者だ。
「リナム、迷わないように気をつけてね」
「うん」
まあ、手を繋いでれば平気な話なのだが・・・・。
「三人とも、早く行くぞ。大会参加申込場で早く申し込みをしないと大会に出場できないからな」
「あ、そっか」
「そうですね。早く行きましょう」
急いでプロンテラ城へと向った。
流石、ルーンミッドガッツ王国の心臓部、首都。場内は広く、兵士が何人もいた。
アレナ大会開催場はこの場内にあり、とても広い場所だ。
場内に入ると、受け付け場があり、ケアティルはそこで大会参加申し込みをした。
「それでは、この大会参加申込書に自分のお名前と出身地をご記入下さい」
受け付けの人が大会参加申込書を取り出 し、ペンと一緒にケアティルに差し出した。
ケアティルは大会参加申込書にスラスラと名前、出身地を書き、受け付けの人に返した。
「ケアティル＝リネーバ様。イズルード出身でございますね。それでは、この大会参加申込書を闘技場前受け付け場の者にお見せ下さい」
受け付けの人は大会参加申込書をケアティルに渡した。
「行くぞ」
ケアティルが闘技場前受け付けへと向かった。そして、僕達もついていった。
城内にこんな広い受け付け場があるとは・・・・・。
僕は、闘技場前受け付け場の広さにビックリした。
控え室も広く、何人もの参加者達が控え室で待機している。
ケアティルは係りの人に先程の大会参加申込書を渡した。
「それでは、そこの控え室でお待ち下さい。ケアティル様の試合の一つ前の試合の時、兵士がケアティ ル様と対戦者をお呼びします。大会開催と共に、トーナメント表もこちらの近くに配置しますので、それで現在の勝者、敗者などをご確認下さい。昼食はここから、右へ真っ直ぐ進めばあります。この大会参加申込書を店の者に見せてください。ケアティ ル様と、そのご一行様はそれでタダで昼食を食べるコトができます」
そう言い、ケアティルの大会参加申込書をコピーし、コピーした大会参加者申込書をケアティルに渡した。
ご一行もタダとはお得な話だ(笑)。
「何かありましたら、私に言い付け下さい」
ケアティルは何も言わず、控え室の中へ入って行った。
ケアティルは控え室にあったイスに座り、溜め息をついた。
「あんなにバカ丁寧にされるのはゴメンだな」
「まぁまぁ」
「私達は一生懸命応援しましょう。キリエル。ケアティルも頑張って下さいね」
「言われなくてもわかっている」
「そうだわ。元気付けに・・・・ ・」
そう言ってフィリアさんはケアティルに近づき、ケアティルの頬にキ○をした・・・・・（汗)。
フィリアさんはニコッ笑顔でケアティルを見た。
「バッ、バカをするな！俺はそんなコトをしてくれと頼んだ覚えは無いぞ！」
顔を少し赤くして動揺するケアティル。
ケアティルのこんな姿を見たのは初めてなので、思わず噴出してしまった。
「フフフッ」
フィ リアさんも笑った。
こと時、幸いにもほかの参加者がこちらを見ていなかった。
見ていたらどうなるだろうか・・・・。
フィリアさんは結構美形な方なので、フィリアさんがケアティルにキ○をしたのをほかの参加者が見たら、ケアティルを睨み付けて何かしそうだ（汗）。
やがて、第一試合目が始まるらしく、兵士がやって来た。
「第一試合、まもなく開始致しますので、呼ばれた方は私について来てください」
真面目な顔をした男の兵士・・・・ってか兵士は男の人しか普通はいないか(笑)。
兵士が小さな紙を取り出した。どうやらその紙に第一試合目の出場者が書いてあるのだろう。
「デルチャート＝カルビスク選手」
「第一試合目から俺か・・・・・ 今年こそは優勝してやるぜ！」
後ろから、デルチャートと言う選手が歩いてきた。
『今年こそは』と言ったので、去年のアレナ大会に出場した人なのだろう。
大きな体に合う大剣を大きなサヤに収め、ノシノシと兵士の前に来た。
「ケアティル＝リネーバ選手」
「・・・・・いきなりか」
・・・・・いきなり第一試合目で対戦をするコトになったケアティル。
しかし、緊張してはいない。いつもと変わらない様子だった。
イスから立ち上がり、兵士の前まで歩いた。
「それでは私についてきてください」
そう言って兵士は後ろを向き、歩いていった。
「ケアティル！」
僕がケアティルを呼び止めた。
ケアティルはこちらを振り向いた。
「絶対に勝つんだぞ！最後の最後まで応援するんだからな！」
「例え負けてしまったとしても、最後まで諦めない気持ちが大切です。頑張ってください」
「・・・・・・がんばれ」
僕とフィリアさんだけがケアティルに元気付けをすると思ったが、リナムも小さな声で言った。
・・・・・・・ちょっ と驚いた(笑)。
「・・・・・・ああ。俺はこんなところで負けはしないさ」
そう言って、兵士についていった。
「・・・・よし、観客席に行こうか！」
「そうですね」
「うん！」
三人で、観客席へと向った ・・・・・・。
この先、またセネアとガルバが僕達の前に現れるだろう。
しかし、そんなコトを考えたって、意味は無い。
今は今。先のコトは先のコト。
今、この時間を楽しんでいこう。僕はそう心で呟いた・・・・・・。
『キリエルの話』ＥＮＤ
次回へ続く・・・・・( ^^) _旦~~
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そんなわけでっ！
キリエルの話が終了！ そして次回より新展開な予感！？
分かった！ 次はセネアとガルバの視点からストーリーが展開するんですなっ？！（ぉ）
まぁとりあえず・・・・物語も一つの節目を迎えたようで、ありがとうございますやらおめでとうございますやら。
ストーリーも徐々に確信に迫ってきてます。
次の作品、期待してますっ！
・・・キ○・・・・。
伏せ字なんですね（笑）。