こんにちは。僕のコトを覚えてくれているかな?

僕は、キリエル。

 

さて、前はドコまで話をしたっけ?

・・・・・そうだ。僕と、リナムの初めての出会いのコトを話したんだったね。

・・・・・その続きを、今から話すとしよう。

 

 

僕とリナムは、僕の友達の家に来て、アルベルタから返って来たよ。そう、挨拶をしようとしたトコでお話を一回、中断したんだったね。

 

RO the story time 

『キリエルの話』

  第二話

↓START↓ 

 

まずは、フィリアと言う女性の家。

彼女は、穏やかで、優しく、とても頼りになる存在なんだ。

僕は、家のドアをノックした。

コンコン。

「ハ〜イ」

優しそうな声、 フィリアさんだ。

ドアが開かれた。ドアの向こうには、フィリアさんが立っている。

背中あたりまで延びている黒い髪。フィリアさんがいる辺りから、 何か暖かいオーラを感じる。

「あら・・・・キリエルじゃない」

「こんにちは、フィリアさん」

「どうだった?おばあ様、元気だった?」

「えぇ、今はもうピンピンしていますよ」

フィリアさんは、他人にさえ、気を使ってくれる。本当に、本当に優しい人なんだ。

「・・・あら、そのコは誰なの?」

フィリアさんの視線が僕から、リナムに移った。

リナムはフィリアさんを見て、首を傾げている。

「リナムって言うんです」

そう言ってから、僕はフィリアさんに近づき、フィリアさんの耳元で囁いた。

「リナムがいる前では言えないコトがあって・・・・日を改めて、リナムのコトを話 します」

「わかったわ」

フィリアさんも小さい声で返事をした。

そして、フィリアさんはしゃがみこみ、ニコッと笑ってリナムを見つめた。

「こんにちは。リナムちゃん」

「・・・・・・」

リナムは返事もせず、頭を少し下げた。

まだ、フィリアさんに対して、心を開けないようだ。でも、その内、心を開いてくれるに違いが無いだろう。

「今度、私のお家に遊びに来てね」

優しい声でリナムに言った。リナムは、また無言でこくっと頷いただけだった。

「それじゃ、僕達、ティアケルの家にも行きますんで」

「あら、そうなの・・・・」

フィリアさんは立ち上がり、僕に視線を向けそう言った。そしてまた、リナムに視線を移した。

「それじゃあね、リナムちゃん」

「・・・・・・・うん」

『うん』と、リナムが呟 いた。多分、フィリアさんには聞こえてないだろう。

リナムはフィリアさんに手を振った。・・・・少しは心は開けているだろう。そう、思った。

 

 

今度は、ティアケルと言う、友達の家に向った。

歩いている途中、こんなコトをリナムが言った。

「・・・・・・フィリアお姉ちゃん ・・・・優しかったね」

「・・・・そうだね。・・・・リナムはさ、フィリ アさんのコト、好きかい?」

「うん」

こくっと頷いた。

「今度、フィリアお姉ちゃんのお家に行きたいな・・・・・」

ふむ、やはり・・ ・・僕の予想(少しは心は開けている)は間違ってはいなかったようだ。

「それじゃあ、明日行くかい?」

「・・・・うん!」

・・・・さて、問題はここからだった。

ケティアルは前にも言った通り、顔は確かにいいが、性格がどうも悪い方なんだ。

子供との付き合いも全然無い。

その時、僕は『ちょっぴり不安』から『かなり不安』になってしまった・・・・・。

 

 

「ここだよ」

僕は、ケティアルの家を指差した。

「ここ・・・・?」

「そうだよ。じゃ、呼ぶね」

そう言って、ドアをノックした。

コンコン。

少ししてから、ドアが開かれた。

「・・・・なんだ、キリエルか」

「何だとは何だい、ケティアル」

彼がケティアルだ。

ボサボサの白髪頭。黒一色の服とズボン。いつも、ケティアルはこの服装だ。

「帰ってくるのが早かったな」

「まぁね。思ったより早く帰るコトはできたよ」

「そうか・・・・・。ん?」

やはり、ケティアルもリナムに気が付いたようだ。

フィリアさん同様、視線がリナムに向く。

怖いのだろうか、リナムは僕の後ろに隠れ、そっと顔を出してケティアルを見た。

「そんな怖い顔すんなよ」

「俺は怖い顔なんてしていない」

「でも、リナムは怖がってるよ?」

「・・・・ったく、これだから子供は嫌いなんだ」

「『これだから』って・・・オイオイ・・・」

「で、何の用なんだ?」

「『返って来た』って言うため の挨拶をしにきた。そう言っておくよ」

「それだけだったら、さっさと帰ってくれ」

「まぁ、いいじゃないか。リナムも紹介したいコトだしさ」

「このガキならもう見た。それに名前ももうわかっている。紹介はとっくにしたと思うが?」

「・・・・わかったよ。それじゃ、家に帰るとするよ。さッ、行こう、リナム」

僕はリナムと手を繋ぎ、自分の家に戻って行った。

リ ナムがさっきより早く、歩いている。どうやら、早くケティアルから離れたいらしい。

そう察した僕は、少し急ぎ足にし、僕の家へと向った。

 

 

「ねェ・・・・キリエルお兄ちゃん」

「ん?なんだい?」

リナムが僕を呼んだ。少し、怯えているかのような顔をしている。一体なぜ ?

「あのお兄ちゃん・・・・」

「ああ、ケティアルのコトかい?」

「・・・・・あのお兄ちゃん・・・・リナムを見て・・・・何か・・・・悲 しいコトを思い出した気がするの」

「え・・・・?悲しいコト?」

「うん・・・・何が悲しいかはわからないケド・・・」

「・・・・ケティアルが・・・悲しいコトを思い出した・・・か・・・」

はっきり、全然心当たりが無い。

リナムを見て、悲しいコトを思い出してしまった?子供が関係している?

でも、ケティアルと一緒にいる時間で、そんな子供が関係しているコトなんて無かった・・・・。

「リナム、そんなに怯えているような顔をしなくても大丈夫だよ」

「・・・・・うん」

その後、無言で僕達は、僕の家に向って行った。

 

 

「さぁ、ここが僕の家だよ!」

「キリエルお兄ちゃんの、お家・・・・」

「そうだよ。さっ、中にお入り」

そう言って、僕は、ドアを開けてリナムを家の中に入れた。

リ ナムが入り、僕も中に入ってドアを閉めた。

ドアを開けて、中に入ると、テーブルとイスがある。

ドアから入って、右側にキッチンがある。

テーブルの向こうには階段。二階へと繋がっている。

階段の近くに、トイレと風呂場。

二階には部屋が二つある。一つの部屋は、僕の部屋。

もう一つの部屋は、物資保管所と言った感じの部屋。ほかに使い道がないのだ。

「さて・・・・どうしようか。リナムの部屋は、あの部屋かな・・・」

ブツブツと、僕は独り言を言い始めた。あの部屋。物置部屋と言っておこう。

物置部屋を片付け、そこをリナムの部屋にしようとした。

「リナム・・・・キ リエルお兄ちゃんと一緒がいい」

イスに座っていたリナムがそう言った。僕 は、振り向いて、笑みを浮かべた。

一人は・・・やっぱり嫌か・・・・。

そう思って、僕は手をリナムの上にポンと置き、撫でてやった。

「わかった。リナムは僕と同じ部屋がいいんだね」

リナムは強く2回程頷いた。

・・・・・同じ部屋にしようと、言うのは簡単だった。しかし、実際は難しいコトだ。

スペースは十分ある。問題は、ベッドだ。

一人用の為、二人で寝るにはちとキツイからだ。

・・・・・・・・。

しばらく、僕は黙り、考えた。

・・・・・・・・・こうするか・・・・。

物置部屋に、使わないソファーがあった。それを僕(僕とリナム)の部屋に持ってくるのだ。

リナムには、ベッドで寝かせ、僕はソファーの上で寝ればいい。毛布を被ればベッドで寝てると変わらないから・・・・・。

 

「そうだ、市場で買ったリンゴ、食べるかい?」

僕はリナムに尋ねた。

『当然』と言わんばかりにこくっと頷いた。

「それじゃ、ちょっと待っててね」

僕はエプロンと三角巾を身に付け、包丁を取り出し、リンゴの皮をむき始めた。

無意識にだったが、リンゴの皮は途切れないよう身長にむいていた。何かと、リンゴの皮と途切れさせなうようにと、意識があるようだった。だが、結局は、失敗してしまい、途切れてしまったが・・・・・。

「キリエルお兄ちゃん」

後ろからリナムの声が聞こえた。包丁を一旦置き、振り向いた。無視しないように心がけているので、なるべく、リナムが僕を呼んだ時は振り返ってあげた。

「どう したの?」

「キリエルお兄ちゃんのその後姿・・・・・にあうよ」

「ほ・・・ホントかな?」

「うん。とっても」

リナムに、エプロン姿 の後姿が似合うと言われ、少し照れてしまった。

照れるコトじゃないと思うが・・・・・・。

やがて、リンゴの皮をむき終わり、リナムが食べられ易い大きさにリンゴをカットし、皿に置き、テーブルに置いた。

「さ、どうぞ」

「いただきます」

爪楊枝でリンゴを刺し、口の中へと運び、モグモグと食べ始めた。

「どうだい?」

「うん。美味しいよ」

リンゴを気に入ったようで、パクパクと食べてゆき、あっという間に食べ終えてしまった。

「ごちそうさまでした」

リンゴは、3時のオヤツとなった・・・・・。

 

 

 

さて、続きはまた今度にしようか・・・ ・。

あッ。そうだ。

別に、今話さなくてもいい話なんだケド、僕はあの時、魔法都市ゲフェンと言う街の、ゲフェン魔法学校の教師をしていたんだ。

魔法学校と言っても、皆が通っているような学校とほとんど変わらない場所なんだケドね。

今度話す時は、学校で起きたコトを話すとしよう。

じゃ、また会おうね・・・・・・。





 >>> 管理人より >>>

 ムナックさんの小説、『キリエルの話 第二話』でした〜♪
 リナム・・・誰かを彷彿とさせるなぁとか思いながら読んでいたら・・・。
 某有名S・RPGのハ○ハでした(ツッコミ不可の方向でw)
 リナムのようなキャラは個人的にツボなんですよ〜^^
 新キャラも登場しましたし、これからどうなっていくのか楽しみです♪



 



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