地上の生き物が空を見上げると太陽を見る事ができる。

太陽は地上に居る生き物の力となるため、今日も空で輝き続けている・・・。



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「ねえねえ・・・」

「ん？なんだい？」

ある親子が会話をしていた。

すでに辺りは暗く、会話している者同士ですら姿を確認するのは難しいだろう。

「外に行ってみたいんだけど・・・ダメかな？」

子が申し訳なさそうに質問をした。既に何回も断られたという様子だ。

「まったく・・・駄目って言ってるでしょう。あなたはお日様の光に弱いんだから・・・。」

「ぶー・・・」

母親の返答に、子はふてくされた様子だ。

「分かったよ・・・おやすみなさい」

「はい、おやすみ。」

そう言って親子は目を閉じた。




「スー・・・スー・・・スー・・・」

「・・・よし・・・」

母親の寝息が聞こえ始めると、彼ははゆっくりと音を立てないようにそこを抜け出した。

元にいた部屋を抜け、外に向かっての階段を上っていく。

上がりきった所を曲がると、


ドン！


何かにぶつかった。彼が確認してみると・・・父親だった。

「ん・・・？こんな所で何をしているんだ？」

彼は驚いて心臓が止まるところだった。

「え・・・ち、ちょっとトイレに・・・」

もちろん言い訳である。「外に行こうとした」なんて言ったら何を言われるか判らない。

「トイレはこっちじゃないぞ？階段を下りた突き当たりだ。」

「あ・・・うん。間違えちゃった・・・。」

「？・・・まあいい。早く寝るんだぞ。」

そういうと父親は3人で寝ている寝室に向かって歩き出した。

後ろからついていき、トイレに入る。


1分ほどしてドアを開けてみると、そこに父親の姿は無い。

「・・・危ない危ない・・・」

再び階段を上がり、外を目指す・・・。


「なんだ、来れないとか言いつつちゃっかり来てるじゃねーか。」

入り口が近くなった頃、彼は知り合いに出会った。

「・・・・？」

彼の方は何のことだという顔をしている。

「・・・俺に会いに来たんじゃなかったのかい？」

顔を真っ赤にした知り合いは、言葉を続けた。

「・・・昨日話したじゃねーか。ウチらと・・・」

「ああ、そういやそんな事も話したっけな・・・でもちと急いでるんだ。」

知り合いの言葉に割り込んで話を終わらせようとしたが、

「そんな釣れない事言うなよ・・・な？お前が手伝ってくれりゃさっさと終わるんだからさ。な？」

「・・・遠慮しておくよ。また今度な。」

「まあいいさ・・・じゃーな。」

そう言って、そこを後にした。



「・・・もうすぐだ・・・」

地上へ続く階段。もうすぐそこまで迫ってきている。



最後の扉に手をかけて開けると、そこにはゲフェンの町が広がっていた。

「ここが・・・ゲフェン・・・地上にある町か・・・。」

空はまだ暗い。まだ朝の4時ほどだろう。

月はまだ見えるが、太陽は見えない。

彼は思い切り息を吸い込んだ・・・が・・・

「ゲホッ！！ゲホッ！」

地上の空気は彼に合わないらしく、激しく咳き込んだ。

「う・・・」

彼は近くにあった壁にもたれかかった。どうやら気を失ってしまったようだ。





数時間後・・・

日が昇り、人間は活動を始めた。

狩りに行く者、道端で露店を開く者、目的はそれぞれだ。


あるゲフェンの家の傍に、2人のカップルが居た。

「何だろう・・・これ・・・」

あるハンターが地面にある灰を指差して言った。

「さあ・・・何かを燃やした後じゃないのか・・・？」

そう言いながら相方と思われるプリーストが灰を手に持った杖で掻き分けていく。

「気味悪いからやめなよ〜・・・。」

「そうは言っても気になるんだよ・・・大丈夫だって・・・」

灰を杖で平らになるように分けると、一枚のカードが落ちていた。

「ん・・・？」

プリーストはカードに付いた灰を、息を吹きかけて払いカードを表に向けた。

「・・・」

「・・・」

2人は顔を見合わせた。

そこにあった物は・・・ドラキュラカードだった。


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地上の生き物が空を見上げると太陽を見る事ができる。

太陽は地上に居る生き物の力となるため、今日も空で輝き続けている・・・。

しかし、世の中には太陽の光によって滅んでしまう生物も少なくはないのである。