誰しも、一度は夢見るだろう。
できはしないと思いながらも。
単なる幻想だと思いながらも。
それでも人は、夢を見る。
だってそれは、
きっとすごく・・・・・・・・
< 飛べ！ >
「なぁ？」
そこは小さな小屋だった。
王都プロンテラの端にある、小さな小さな小屋。
その小さな小屋は、これ以上ないぐらい散らかっている。
「ん？ なんですか師匠」
そんなゴチャゴチャした小屋の中から、男と女の声が聞こえた。
二人が何処にいるのか、傍目では検討もつかない。
散乱した「何か」は小屋を8割以上占領し、人が住んでいるとは思えない状態だ。
だがこの小屋には、住み人がいる。
「なんでソヒーって、飛べるんだろうなぁ。羽根もないのにさ」
一人、ウィザードのイング。
「そりゃあ、一種の悪霊だから？」
一人、イングの弟子で、マジシャンのクレア。
彼らは何年も前から、この小屋で寝食を共にしてきた。
彼・・・イングは、己の夢を叶えるために。
彼女・・・クレアは、その手助けをするために。
「俺、考えたんだ。もう翼にこだわるのやめた方がいいんじゃないかって」
「は？ 師匠、翼なくしてどうするつもりですか」
「ソヒーを4匹ぐらい捕まえて、四方に取り付ける」
・・・・
ちょっと想像してしまう。
「やめなさい。バカ師匠」
「えー、なんでだクレア。試してみる価値はあるんじゃないか？」
「仮に、本当にそれで上手くいったとしても私は嬉しくないです！」
「クレアが嬉しいかどうかじゃないんだ。ただソヒーが可愛いかどうかなんだ！」
「な！ なんですかそれ！ いきなり話変わってますよ！？」
クレアがそう言った瞬間、小屋の中で、ドウン！と瓦礫にしか見えない山が崩れた。
「うわ！」「きゃあぁ！？」
二人の声が被り、舞い上がる埃の中で沈黙が落ちる。
潰れたらしい。
しばらく何も聞こえてこなかったが、ガコンと板が床に落ちる音がして、
元々板のあった場所からクレアが頭を出した。
「ししょ〜〜〜、いい加減、ここ掃除しましょうよ〜〜〜〜」
「駄目だ・・・こう乱雑な状態なのが、俺の頭を活性化させてくれるんだ・・・・！」
「・・・・・・・それ、本当なんですか？」
「・・・どうなんだろうネ？」
クレアは瞳を閉じる。
やるしかない。
「・・・其れは在るもの。其れは無きもの。具現の衝撃！
ナパーム・ビートーーーッ！！」
「な！？ やめ・・・・」
バァァン！！
「ぐげはっ！」
瓦礫の山からやっとのことで体を出していたイングは、クレアの魔法を受けて後ろに吹っ飛んだ。
そしてまた瓦礫の山に突っ込み、崩れてきたもので埋もれる。
「今日の研究はここまでです！ 掃除やりますから！」
「ま・・・まて・・・落ち着けクレア・・・・・」
「・・・何なら、全部燃やしてもいいんですよ師匠？」
にこりと笑って、手のひらに炎を具現化させるクレア。
瓦礫から顔だけ出したイングは、泣きながら首を縦に振る他なかった。
イングには夢があった。
それは、言葉にするのは簡単なこと。
だが、実現するのは難しいこと。
今の世の中、カプラ転送サービスや、蝶の羽、ワープポータルで移動にはさほど苦をしない。
だから、その行為にそれほど意味はない。
「あぁ、イングってあの端っこにある小屋に住んでるアレ？
アイツは夢見すぎだって。夢で飯食べれないのに、よく続くよなぁ」
「でもクレアって子は結構可愛いよな。なんであんなのと一緒にいるんだか」
「俺がアレの立場だったら、もっとあの子を幸せにできる自信があるね」
「バッカ。アレ以外の男だったら、誰だって今以上の幸せにできるって」
「それもそうだ。確かに」
そうして、彼らは笑う。
キレイに片づけられた小屋。
それを目の前にして、彼らは並んで立つ。
「あぁ・・・・・・・・・落ち着かない」
「あぁ・・・・・・・・・気分がいい」
二人は、それぞれの感想を漏らした。
あの一件から数日後。
鬼のように掃除をするクレアと、クレアの指示に従い犬のように忠実に手伝うイングの頑張りで、
小屋はまるで違う小屋の如く外見が変わっていた。
不必要なモノは全て捨て、必要な物も整理して保管する。
今使うモノ、使わないモノを分けてそれぞれ指定の場所に置く。
ただそれだけで、小屋はちゃんとした小屋になっていた。
「師匠、ご苦労様でした」
「あー・・・・うん、頑張った」
「・・・元気ないですね？」
「・・・・・なぁクレア」
「はい？」
「三日で元に戻していい？」
「なにをですか？」
「いや、鬼のように掃除してたクレアを見習って、鬼のように散らかして・・・」
「なにをですか？」
「あ、あの、ですから・・・」
「なにをですか？」
「ご、ごめんなさいもう言いません・・・・」
この手のやりとりで、イングが勝った試しがなかった。
「じゃあ師匠」
「あぁ、始めるか」
そうして彼らは、小屋の中央にあるテーブルの上に紙を広げる。
誰しも、夢を見る。
夢。それは理想。己がそうなりたい願望。
子供の頃は、無邪気にそれを追いかけていられた。
だが、大人になると。
夢を追い続けている姿は、滑稽に見えることもある。
特に、それが大それた夢であるのなら。
「ジュノーって飛んでるよな・・・」
「ですね、飛んでますね」
「確かコンロンって街も飛んでるよな・・・・・？」
「ですね、確か飛んでますね」
「・・・・・・・なんで？」
「自分で調べてください！」
彼らは考えに行き詰まると、いつもこうやって無駄会話をやっていた。
彼らは夢を追っていた。
彼らは一人じゃなかった。
だから、頑張れたのだと思う。
空を飛ぶ。
自分が造った『翼』に乗って。
風を切るのだ。
その日、クレアは一人で夕食の買い物へ出ていた。
空が赤く染まる時刻。
献立を頭の中で考えていると、目の前に数人の男が立ちふさがる。
この辺りを縄張りにしている、質の悪い連中たちだ。
「お前、あのバカのところの子だろ？」
クレアの目の前に立った男が、ぶしつけにそう聞いてくる。
「何か？」
クレアはその質問を無視し、男に負けじと睨みつけた。
そのクレアのまわりを、ニヤニヤと笑いながら男達が取り囲む。
逃げ道はない、と言わんばかりに。
「まぁそう睨むなって。可愛い顔が台無しだぜ」
「・・・・もう一度聞きます。私に何かご用ですか」
「冷たいなぁ。ただ話しかけただけじゃねぇか」
からかい目的。
そう判断したクレアは、男たちの包囲を抜けようと足を動かす。
しかし、クレアの細い肩が伸びてきた手に掴まれ、強引に引き戻された。
「待てって。そう急ぐこともねぇだろ」
「どうせ暇なんだろ？ ちょっと俺たちに付き合えよ」
「なぁに、明日になったら解放してやるさ」
汚い笑みを浮かべながら、彼らはクレアを取り囲みつつ移動を始めた。
逃れようとするクレアだが、男の一人にしっかりと腕を握られていて逃げられない。
「放して・・・！」
クレアは自由な左手を、自分の腕を掴んでいる男に向ける。
「其れは紅。降るは灼熱。具現炎、三、此処に・・・っ！」
「うわっ、こいつ！！」
ガッ！
クレアの腕を掴んでいた男は、咄嗟に彼女を拳で殴る。
魔法の詠唱中断。マジシャン、ウィザード等の魔法は、操るのに相応の集中力を必要とする。
それ故に、詠唱途中に何らかの外的衝撃を受けると、あっさりと中断されてしまうのだ。
頬を殴られたクレアは、頬を真っ赤にしながら顔を上げた。
再び詠唱を開始・・・
「おい、頼む」
「レックスディビーナ」
男の一人が、魔封じの奇跡を使用する。
クレアの体の回りに、黒い何かがまとわりつく。
「・・・っ！」
体が重くなる感覚。
いつもならば自身の体から溢れる魔力を感じることができるのに、今は微塵も感じれない。
封じられた。
魔法力を封じられたマジシャンに、もはや抗う術はない。
「大人しくしてろ。別に殺しゃしねぇ」
笑う男達。
悔しい、怖い。
殴られた頬が痛い。
だが魔力を封じられた今、自分は無力だ。
涙が出てきたが、それを流したら負ける気がした。だから我慢する。
「・・・・師匠」
無意識のうちに、クレアはそう呟いていた。
その呟きに、男の一人が反応する。
「師匠・・・？ 師匠ってもしかして、あいつ？」
「あのバカの事か。まったくよぉ、あんな変人のどこがいいんだ？」
「今でもガキくせぇんだよ。叶いもしない夢追っかけ続けるなんてよ」
「そろそろ諦めるんじゃねぇの？ そして次は、水の中で動けるモノーとか言い出すんだぜきっと」
「はは、ホンモノのバカな」
バカ。
バカって言葉は、どうしてこう。
癪に触ることがあるんだろう。
「バカって言わないで・・・・・・・・」
「ん？」
「師匠は・・・確かに子供っぽいけど・・・・・」
なぁ、クレア。
はい？ なんですか師匠。
この大空を駆け抜けたら、気持ちいいんだろうなぁ。
・・・・そうですね。それはすごく気持ち良さそうです。
風を切るんだ。
・・・・
誰しも空を見上げる。そこには願いが一つ。
その、願いって？
飛んでみたい。
あの空を、自由に。あの空を、どこまでも。
・・・・・・自由に、どこまでも・・・
だから、俺は作る。何年かかってもいい。どれだけ苦労してもいい。
師匠・・・
クレア。お前は将来有望なマジシャンだ。
俺なんかに付き合うよりも、魔法の腕を磨いた方が将来のためになる。
師匠？
今からでも遅くない。俺が良い師範を紹介してやる。そこで修行を積んで・・・
師匠、それ以上言ったら、全力でコールド・ボルト叩き込みますよ。
・・・・それはやめて欲しい。
なら、私にもその夢、付き合わせて下さい。
そしてもし、それができたら・・・私を、一番に乗せてください。
クレア。
だって、飛んでみたいじゃないですか。
この大空を。
・・・・・分かった。約束する。
必ずお前を、空へ連れて行く。
だから・・・・・ついてこい！
はい！ 師匠！
「自分の夢に向かって突き進んでる、格好いい人です！」
つい叫んでいた。
男たちは驚いたように、クレアを凝視する。
そして間もなく、笑い声。
男達は大声で笑う。
バカに飼われた奴もやっぱりバカになるんだ、そう言って。
かつて、これ以上の悔しさを感じたことなどなかった。
恐怖ではなく、怒りで、体が震える。
自分のことだけならまだ良かった。
だけど今笑われているのは。
大切な人の。自分の目標となるべき人の。
夢。
夢を見るのは、いけないことなの？
どうして、笑うの？
頑張ってるのに。
一生懸命なのに。
真剣なのに。
「いいんだよ、クレア」
でも、師匠・・・
「笑わせておけばいい。俺だって、皆に認められたくて研究を続けてるわけじゃない」
でも・・・！
「俺は、飛びたい。だからやってるんだ」
「てめぇ！！」
男の声で、クレアは我に返った。
クレアを中心にして立つ男達と、その行く手を遮るウィザード。
言うまでもない。
イングだ。
「なんだよ、なんか用かバカ」
「邪魔だからさっさと退け」
「あぁコレか？ 安心しろよ、ちゃんと明日返してやるから」
ククク、と笑う男たち。
イングは、そんな男たちを眺め、その中で震えているクレアを見て。
「貴様ら！ 人の夕食になにやってんだぁぁぁ！！」
「「「「「「は！！？」」」」」」
男の声と、ついでにクレアの声までもハモった。
「俺は腹が減った！」
ずん！と一歩踏み出すイング。
ザザッ、と何故か一歩下がってしまう男達。
「俺のカレーを返せ！」
滅茶苦茶だった。
「とっ・・・とにかく黙らせろ！」
男の一人が叫びと同時に、数人が一気にイングに走り寄る。
肉弾戦で、通常のウィザードが勝てる道理はない。
男たちがイングの目の前に来たタイミングで、遠くから発動されるレックスディビーナ。
しかしそれは、イングに沈黙効果を与えられなかった。
「空よ焦がれ。我は在る。我は護る。紅の一閃
ファイヤー・ウォール！」
詠唱は一瞬。
力ある言葉が放たれた瞬間、イングの目の前には炎の壁が出現し、男達の進行を阻止する。
「く！」
「回り込め！ 挟み撃ちだ！」
ＦＷを左右に避け、両方からイングを追い詰める男達。
しかし。
「此処に、召喚す。
白の氷結。薙ぐ衝撃。制止する常代・・・即ち、凍結の儀式。
汝、この白を逃れる術無し。
汝、我から逃れる術無し。
汝、終わりの刻」
イングが早かった。
「啼け。白銀の突風！
ストーム・ガスト！！」
魔力を押さえた大魔法が、男達を中心に炸裂する。
吹き荒れる絶対零度。
その嵐が過ぎ去った時、男たちの半分以上が凍りついていた。
唖然とする残った男たち。
クレアはその隙を見て、男の手を払うことに成功した。
イングの所へ走り寄る。
「師匠！」
「無事か。夕飯」
「ってなんで夕飯扱いですか！？ 私！」
「クレアが夕飯の材料を買いに行ったまま、帰ってこないからだ」
イングがそう言う。
内容こそいつものふざけたイングだが、表情はそうではなかった。
目の前にあるクレアの顔を見、右手で赤くなった頬に触れる。
「・・・・・・・どいつだ」
「え？」
「どいつだ」
「えっと、何が・・・？」
イングは顔を上げる。
先程のストームガストを逃れた男数人を見る。
・・・さっきまで、クレアの腕を掴んでいた男。
「・・・あいつか」
言うと同時に、イングは走り出していた。
真っ直ぐ、その男に向かって。
「なっ？！ 師匠！？」
「はっ、やっぱりバカだな！ お前は！！」
ウィザードが、折角ある距離をわざわざ縮めるなんて。
信じられない顔で、クレアは走って行くイングを見ていた。
イングが目標に定めた男は、腰から一本のナイフを取り出す。
なんの変哲もない、ただのナイフ。
だがそれは、簡単に人を殺せるナイフだ。
男も前へ走り出てくる。
イングとの距離が詰まる。
あと五歩、四歩、三歩・・・！
「バカウィザードちゃん、後悔しな！」
二歩、一歩・・・・！！
ブン！
振るわれたナイフは、虚しく空を斬った。
この一撃を避けること。
それで決まりだった。
「―――」
あまりに早い詠唱。
故に、誰も気づかなかった。
イングが右手を突き出す。狙いは男の顔面だ。
男はさして慌てる風もなく・・・むしろ余裕の顔で、その拳を受け止めた。
顔で。
「はっ、魔法を使わないと弱いくせに、何を粋がってんだぁ！？」
まともに顔面に直撃したのに、男はノーダメージだ。
男が鋼鉄のように屈強・・・なのではない。
ただ単に、イングが非力なだけだ。
「そう。俺たちは魔法を使わないと弱い」
「は？」
「だけど、お前は殴っておきたかった。この手で」
「ふん、じゃあもう満足だろ？」
男はニヤリと笑い、イングに向けてナイフを振るう。
・・・否、その手前。
イングは、男の顔面の前にある、己の手を開いた。
「吹っ飛べ。
ナパーム・ビート」
バァァン！
衝撃音が、辺りに響き渡る。
それと同時に、まるで鉄球で殴られたかのような衝撃を受けて男は吹っ飛んでいく。
「な・・・！？」
「ヤロウ！！」
残っていた男達は、それぞれ武器を手に取りイングへと肉迫する。
イングはそれを見て、笑みを浮かべた。
「満足した。じゃあな！！」
「は！？」
「具現沼、此処に。
クァグマイヤ」
空間が緑色に染まったように見えた。
クァグマイヤ。空間に擬似的な泥沼を作り上げ、対象の動きを極端に遅くする魔法だ。
「行くぞ夕飯！」
「私はクレア！ 夕飯違います！！」
男達がそのクァグマイヤで手こずってるうちに、イングとクレアは一目散に逃げ出したのだった。
ちなみに、その日の夕食はオムレツだった。
イングは泣きそうになっていた。
空を飛びたいと言う。
自由に、その『翼』で。
人はそれを笑う。
到底できないと。
夢物語であると。
だが、彼は夢を見ることをやめない。
誰が笑おうと構わない。
誰が罵ろうと構わない。
認められたくてやってるわけじゃない。
彼が思うことは一つ。
飛びたい。
ただこれだけ。
彼女もまた、笑う側の人間だった。
できもしないことは、やろうとするだけ無駄だと切り捨てる側だった。
「なぁ？ あんた」
「・・・何です？」
魔術協会の計らいで、彼と彼女が最初に会った日。
場所は草原。
遠くに見える山。
近くに咲く、名も知らない花。
「空、見てるか？」
「・・・そりゃ、毎日見てます」
「じゃあさ」
そこで言葉を区切り、彼は天空を見る。
そこにあるのは、ただただ果てしない、碧。
「この空を自由に飛べたら、すごく、気持ちがいいと思わないか？」
彼の顔から。彼の瞳から。
彼女は目を離すことができなかった。
彼女はここで、異端の仲間入りをしたのだ。
ゴガアアアアアアア！！
鉄とか木とか、とにかく色々が何かにブチ当たって破砕する音が聞こえた。
もはや何なのか分からなくなった物体から、イングが這い出て来る。
「ふ・・・っ・・・今日のは・・・今までで一番・・・・・・衝撃・・・が」
「ししょ〜〜〜〜〜、だいじょ〜〜〜ぶですか〜〜〜〜？」
遠くから、クレアの声が聞こえてくる。
その声色には、イングの身の心配する様子が・・・・これっぽっちも無かった。
「クレアよ・・・俺はこれでも人間だ・・・ぞ」
イングは匍匐前進の状態から、仰向けに状態に体を変える。
目の前には、大きな空が広がっていた。
今日も、飛べなかったのだ。
「ほんのちょっとだけ、浮かんだだろ？ そうだろ？」
誰に向けて言っているのか、イング本人も分かっていない。
クレアが、倒れているイングの傍に駆けつける。
「はぁっ、はぁっ・・・・いや〜師匠、今回も派手にぶつかりましたね〜」
「おう、目が飛び出るかと思った」
「何か、衝撃のショックとかで閃いたりしません？ 打開策」
「うーん・・・・・・・・・・」
イングは倒れながら、瞳を閉じる。
風が、彼らを撫でていく。
「なぁ？」
「はい？」
「なんでメガロドンって、浮いてるのかなぁ・・・？」
「・・な・・・なんで、でしょう・・・？」
こうやってのんびりと、彼らは歩んでいく。
空に、思いを馳せて。
いつか必ず、辿り着くと信じて。
これは、空を飛びたいと夢見た、彼らのお話。
大地の上、風を切っていた。
景色が、異常な早さで流れていく。
スピードが上がっていく。
もっと。
もっと！
もっと！！
魔導エンジンが唸りをあげる。
出力、最大。
さらに加速。
渾身の魔力を、注ぎ込む！
空が、見えた。
「飛べえええええええぇぇぇぇぇーっ！！！」
空は、ここにある。
■あとがき■
第一回、ショートストーリーコンテスト。
お題は「空」
というわけで、こんなの書いてみました。主催者でございます。
構想仕事中。キャラ設定一瞬。文章構成5時間弱。
・・・これで許してください。
前に書いてたヤツ、ＰＣが死んだと同時に一緒に逝っちゃったんで (--;)
彼らの物語はこれで終わりません。
終わりませんが、続きなんてあるんだろうかと。
ここだけの話ですが。
私は小説を書いたときに、その時一番ハマってるモノの影響を受けやすいんで、
今回はそうならないように努力してみました。
・・・どうだろう？ 自分じゃわからない (-.-;)y-゜゜